株式会社山久
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2011年07月11日:『穀物についてⅢ(大豆他)』

今年は例年より早く梅雨明けして、本格的な猛暑が始まりました。

小豆・いんげん豆に続き、
   今回は「大豆」「えんどう豆」「そら豆」を特集します。
マメ科には、「落花生」も属してますので補足したいと思います。

今日のおやつは、冷やした黒豆かんにしましょ!
【大 豆】
大豆の原産地は、中国東北部からロシアのアムール川流域と考えられています。
中国では紀元前3000年から栽培していたと言われ、日本には朝鮮半島を経由して伝来したのは、弥生時代初期と考えられています。
当時の食べ方は煮豆や炒り豆が主で、味噌や醤油の原流の穀醤(こくひしお)として利用され始めるのは奈良時代に入ってからです。
大豆が国内で広く栽培されるようになるのは鎌倉時代以降です。
(大豆) わが国では沖縄県を除き全国的に栽培されています。
北海道・東北・関東・北陸・九州地方が主な主産地で、 黄大豆が一般的で、黒大豆・青大豆等の種類が有ります。
大豆は搾油して「油」と「大豆粕」に使用される事が多く、 日本では食品大豆として、豆腐・味噌・納豆のほか、豆乳 湯葉・黄な粉等の原料に消費されています。
  - 写真左: 北海道産小豆 -

菓子原料として、黄な粉・青きな粉・甘露煮の黒豆など、また豆乳を入れた和菓子・洋菓子も増えてきました。
ご存知の様に「大豆」と「枝豆」は、収穫する時期が違うだけで同じ植物なんです。
東北地方では、枝豆を原料にした「ずんだ餡」のお菓子が有名です。
最近アメリカ・欧州でも居酒屋メニューに「枝豆(英語:Green Soybeans)」が食べられ、日本の食文化が伝来されてます。

【えんどう】
えんどうは人類と最も関わりをもつ豆類の一つで、メソポタミアで生まれ古代オリエント 地方や地中海地方で麦作農耕の発祥とともに栽培化された豆です。
わが国には中国を経て、遣唐使によって9~10世紀頃に伝来されたと言われます。
本格的な栽培は明治に入ってからで、色々な品種が欧米諸国から輸入され、全国各地で生産が始まりました。

さやの硬さにより、硬莢種(こうきょうしゅ)と軟莢種(なんきょうしゅ)があります。
硬莢種はその名の通り莢(さや)が固く、完熟して乾燥した豆を収穫して利用します。
日本では青豌豆は煎り豆・煮豆・うぐいす餡などに加工され、赤豌豆はみつ豆・茹で豆として食べられています。
ヨーロッパでは煮込んでスープなどとして利用されているようです。

軟莢種は莢が柔らかく、未熟な莢をサヤエンドウとして料理に利用したり、 成長を終えて乾燥前の生の豆をグリーンピースとして使用しています。
大豆と枝豆と同様に、豌豆も穀物と野菜として利用されています。

【そら豆】
蚕豆の原産地は諸説あり、北アフリカや南西アジアと考えられ、 わが国へは奈良時代にインド僧の仙那によって中国を経由して 伝来されたと言う説があります。
本格的な栽培は明治時代になってからです。
欧米の品種が導入され、試作を重ね現在の品種の基礎が 作られました。
          - 写真右: そら豆 -

(そら豆)
栽培は関東以西の温暖な地方で行われていましたが、最近では作付けは激減し 四国と九州の一部で栽培されている状況です。
乾燥豆はほとんどを輸入に頼っており、大半が中国・オーストラリア・ポルトガル・ カナダなどから輸入されています。
フライビーンズを始めとする炒り豆菓子の代表的な原料で、甘納豆や餡にも使われ、 大粒種を甘く煮て「お多福豆」が作られます。

【落花生】
マメ科ラッカセイ属の一年草で、別名はナンキンマメ(南京豆)と呼ばれました。
落花生の原産地は南米アンデス山麓で、わが国へは江戸時代(宝永年間)に中国から渡来し、南京豆の名が付きました

本格的な栽培の開始は、明治7年に政府がアメリカから種子を導入し奨励してからです。
現在も千葉県を中心に福島県・茨城県・神奈川県などで生産されています。
千葉・八街市などで、「千葉半立(ちばはんだち)」「ナカテユタカ」などの風味と食味の良い品種が栽培されています。

落花生はナッツ類に含まれて総称されますが、テーブルナッツとして有名なアーモンド・ カシューナッツ・マカデミアナッツ・ピスタチオ・ヘーゼルナッツ・クルミ等は「木の実」として 高木に実がなり収穫されます。

【関連項目】
 ’06年02月16日 「黒大豆と枝豆」    ’09年09月01日 「黒豆大福」の製造
 ’10年11月01日 「大豆・小麦の地名」 ’11年11月11日 「黄な粉」
 商品案内 : 「北海道産黒豆かん」

資料:全国和菓子協会(財)日本豆類基金協会東海農政局(農林水産省)

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