株式会社山久
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2012年02月01日:『食品鮮度保持剤』について

今年は、久し振りに寒い冬を迎えています。
北海道・東北地方・日本海地域では、記録的な大雪となっています。
この大雪で多数の方がお亡くなりになり、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

今回は、菓子・食品の包装の中に『袋』が入ってます。
「たべられません・Do not eat」と書かれてます。
賞味期限と鮮度保持を目的にしていますが・・・!
この『袋』の事を調べてみました。

こし餡と柔らかい餅に青きな粉の「うぐいす餅」が美味しい!
 (うぐいす餅) 
消費期限と賞味期限
全ての食品は常温・冷蔵保管等の衛生的な環境であっても、一定の期間が経過 すると鮮度を保持する事が出来なくなります。
消費期限は5日以内で、賞味期限は6日以上の期間を表示です。
但し、消費期限・賞味期限を過ぎた時点からその食品が食べられなく事ではなく、「美味しく食べれる期間内」としております。
※年月日表示は賞味期間3ケ月未満、年月のみの表示は賞味期間3ケ月を超える場合となってます。

菌について
食品が鮮度保持出来なくなる要因としては温度・湿度も関係し、原材料・空気中に 存在する一般性菌・カビ菌等、又醸造などに必要な酵母菌・乳酸菌・イースト菌・ 納豆菌等の発酵菌です。
その菌を必要としない食品には大敵で腐敗の原因となります。

菌が好む環境は、人と同じで①水分②酸素③栄養素を必要とします。
一般的に「一つを無くす」・「激減する」事で品質保持が可能となります。
残念ながら、性格の悪い菌も一部存在し「進化と誕生」事も有ります。
もちろん、製造上で熱を加える事などで「滅菌」され安全な食品となります。
又、食品製造工場では常に清掃・洗浄・殺菌を実施して衛生面の管理をして「安心と 安全」に努めております。

鮮度保持剤について
使用目的の為に色々なタイプがあります。
*脱酸素剤タイプ袋内の空気中の酸素を吸収して鮮度保持
*アルコールタイプ袋内にアルコールが充満し微生物を静菌し鮮度保持
*乾燥剤タイプ袋内の湿気を吸収し、食品を乾燥状態で保持

(鮮度保持剤各種) 脱酸素剤
1925年に欧米で鉄粉を利用した脱酸素剤が開発され、 我が国では、1977年(昭和52年)頃三菱ガス化学によって 脱酸素剤「エージレス」(AGELESS)が商品化されました。
1980年代には広く普及され多くの食品に使用されました。  - 写真 : 鮮度保持剤各種  -
脱酸素剤の原理は「鉄が錆びる時に酸素を吸収する」事から、袋内の空気から 酸素を無くし、窒素だけの状態にする事で鮮度保持が出来るのです。
その為、特殊な包材(巻取りフィルム)が必要です。
この包材は、酸素透過が低いフィルムを使用する事で作りたての風味・色合い・香り・ 栄養素を長期間にわたり保存可能となります。
注)脱酸素剤は、袋を開封した時点で効力が無くなります。

アルコールタイプ鮮度保持剤】 (アンチモールドを参考しました)
アルコールを粉末化し特殊な袋に充填した商品です。
菓子・食品等の製品と一緒に包装する事で、小袋の中から徐々に蒸散して食品に 付着している菌(微生物)を静菌してカビ等の発生を防ぎます。
袋を開いた時、このエチルアルコールが蒸散している関係で、少々アルコール臭が しますが極めて安全な保持剤です。
(少々の時間経過で「臭と味」は軽減されます)
注)アルコールが飛散されている間は、多少効果は持続します。(数日間)

乾 燥 剤】 (シリカゲル)
乾燥した食品(米菓・クッキー・キャンディー・乾物類など)の防湿に適してます。
シリカゲルとは、ケイ酸ゲル(SiO2・nH2O)を脱水・乾燥したもので、多孔質構造 (細孔構造)を持ち表面積が広いため、乾燥剤や触媒の担体として利用されてます。
身近なところでは、家庭の押入れ・箪笥の中等に「湿気取り」が有ると思いますが、 こちらが「シリカゲル」を使用してます。
注)シリカゲルの袋の中がサラサラした状態は、多少防湿効果は有ります。

熱処理による殺菌効果
製造上での熱処理に加え、包装後のボイル殺菌・レトルト殺菌が有ります。
低温殺菌牛乳・卵・ビール・ワインなど、 製品の風味を破壊せずに一部の菌を滅菌して鮮度保持をします。  注)製品により温度・時間は違います
ボイル殺菌製品が出来上がり包装された商品を20~30分程度高温処理をする事で殺菌され鮮度保持を長期化できます。  注)製品により温度・時間、又賞味期間は違います。 あんみつ・カップゼリー・ジャム・缶詰商品等多数の製品が有ります。
レトルト殺菌さらに高温(120℃以上)と高圧(1.1気圧以上)で30~60分間、専用の機械でレトルト殺菌されます。 缶詰類・レトルト商品(カレーが一般的)・その他素材製品等が有ります。  注)製品により温度・時間・圧、又賞味期間は違います

冷凍保存
氷点(水の凝固点・氷の融点)は一般的に0℃で、これよりも低い温度が氷点下(零下)と呼ばれます。
食品の水分・油脂が凍結・凝固する低温になる事(マイナス18℃以下の冷凍状態)で、 微生物の活動が抑えられ長期保存も可能になります。
注)食品によっては冷凍に不向きなものも有り、解凍した時点で食品として食べる事の 出来ない商品も有ります。
例として、あんみつの「寒天賽の目」・果物の「いちご」等です。

資料:三菱ガス化学㈱ ・ ㈱タイセイ  ・ フロイント産業㈱ ・
    ウッキペディア(脱酸素剤) ・ ウッキペディア(シリカゲル)等を参照しました。

<調 査:本社 営業部門 >