株式会社山久
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2014年05月01日:『卵のいろいろ-2』


いよいよ、初夏を迎える季節です。
先日、南米ペルー沖でのエルニーニョ発生予想の
報道が有りました。
今年は冷夏となるのでしょうか・・・?

今回も「卵のいろいろ」な豆知識をご紹介します。
もう少し、「たまご」のことを掘り下げて調査しました。


【和・洋菓子原料の卵について】
卵を原料とした和洋菓子が沢山あります。
全卵で「カステラ・焼菓子・どら焼・蒸菓子・ワッフル」などの生地、黄味と
白餡で作られた「黄味しぐれ・黄味餡」、卵白のメレンゲを原料で作られた
「マカロン・ムース・マシュマロ」などが有ります。
1)卵を着色料として使用する
  和菓子の彩「黄色」として、卵黄を茹で裏ごしし白餡に混ぜる「黄味餡」が
  有り、生の卵黄を白餡に混ぜるタイプも有ります。
2)卵を「泡立て」で使用する
  全卵で泡立てる事を「共立て」と言い、お菓子の生地等に使われます。
  卵白・卵黄に分けて別々に泡立てる事を「別立て」と言われ、単体で
  使用するケースと、泡立てた後に混合して使用するケースが有ります。
3)卵を配合する
  和菓子の世界では、「同割」という言葉が良く使われます。
  お菓子の原料に卵が使われる様になったのは、カステラ等の南蛮菓子
  渡来で、三同割は砂糖・小麦粉・卵が同量の配合の事、四同割はこれに
  バターが加わり同じく同量の配合をする事です。
  また、砂糖が卵の気泡を支える役目が有り、砂糖を入れないで混ぜると
  出来た端から気泡が割れて消えてしまいます。
4)卵で艶出しをする
  栗まん等の焼き色の輝きは、卵黄にみりんなどを混ぜ、焼く前に黄味塗
  りして艶を出します。   卵は、和菓子の美味しさを引き出します。

【有精卵と無精卵】
1.有精卵は鶏舎に、雄1羽と雌が10~15羽程度の環境で産卵されます。
  無精卵は雌鶏だけで産卵された卵で、温めても孵化しません。
2.有精卵は、21日間鶏の体温で温め続ければ孵化します。
  無精卵は、温め続けると卵が腐ってしまいます。
3.卵としての栄養は、特に違いはありません。
  無精卵の方が日持ちも良く変質しにくい面があります。
  有精卵は中途半端に温度がかかると変質して、食用出来なくなります。
4.ワクチンを作る時に使用する卵は有精卵だそうです。
  無精卵では作れません。

(鶏 卵) 【新鮮な卵】
新鮮な鶏卵は割卵すると卵白が少し白濁してます。
これは、卵白に炭酸ガスが多く含まれている為に白く濁ってます。
炭酸ガスは、日数の経過とともに卵殻の「気孔」から抜け出します。
 ― 写真左 : 白い卵と茶色の卵 ―

気孔:殻に小さな穴が7,000~17,000位有ります
※販売されている卵は洗卵しておりますが、多少汚れが有りますが家庭で
 卵を洗うのは やめた方が良いでしょう。
 卵の気孔から水と共に雑菌などが流れ込み鮮度が失われます。
 目につく汚れは洗わずに、汚れは「ふき取る」程度が良いでしょう。

【卵の孵化から産卵】
産卵された卵は21日後に孵化され、150日頃より産卵が開始されます。
210日で成鶏となり550日(1年半)から730日位(2年間)で廃鶏とされます。
一羽の鶏は生涯産卵個数として、350~380個程度だそうです。
ちなみにブロイラー(食肉)は、孵化されてから50日(若鳥)頃から180日で
出荷されます。

【卵の規格】
基準は卵重(パック内の鶏卵1個の重量)で、LL・L・M・MS・S・SSの6種類、
L玉:64g~70g未満・M玉:58g~64g未満・S玉:46g~58g未満で、若鳥は
小さな卵を産み、採卵期間が終わりの頃は大きな卵を産みます。
卵の大小にかかわらず、卵黄の大きさは)(重量)はほぼ同じです。
小さな卵は卵白が少なく、大きい卵は卵白が多いと言う事になりす・
     *昭和40年2月 農林水産省「鶏卵のの取引規格」*

【卵の栄養成分】
卵は人間の体に必要な栄養素をまんべんなく含んだすぐれた食品です。
これは、ヒヨコが成長する為の必要な栄養成分を全て持合わせている、
文字通り「完全食品」なのです。

栄養成分(100gあたり):全卵・卵黄・卵白の順
エネルギー(Kcal):162・363・48  タンパク質(g):12.3・15.3・10.4
脂質(g):11.2・31.2・― 炭水化物(g:0.9・1.7・0.9 ナトリウム(㎎):130・40・180
他に糖質・カルシウム・リン・鉄 分・カリウム・マグネシウム・亜鉛・ビタミンA
ビタミンB1&B2・ビタミンD・ビタミンえ・ビタミンK・ナイアシンを含んでます。

栄養素として重要なタンパク質を形成しているのがアミノ酸ですが、人間の
体内では合成できないものを「必須アミノ酸」と呼ばれてます。
必須アミノ酸とは、グルタミン酸・アスパラギン酸・他20種類をまんべんなく
含んだものを言い、卵は種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。

【関連項目】
’14年03月01日「卵の歴史」  ’14年04月01日「卵のいろいろ-1」
’14年06月01日「卵の嘘とホント」

資 料 : たまご博物館大阪相脳食品センターイセデリカ食品
      卵のちょっといい話卵のQ&A ・ ウィキペディア「鶏卵」

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