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2014年04月01日:『卵のいろいろ-1』

今年も、都内各地で桜が満開となりました。
いろいろな草花の蕾もふくらみ、春爛漫が楽しみです。

今回も「卵のいろいろ」な豆知識をご紹介します。

山久では「群馬県産の卵」を原料として使用してます。
どら焼/和風留の生地・パフケーキのスポンジ生地・
各種まんじゅうの生地と黄味餡にも使われています。

(お菓子)
【飼育の始まり】
鶏が家禽(カキン)として飼育されたのは、4,000年近く前と紹介しました。
鶏は東南アジア・インド地方に野生している4種の野鶏が家禽化(カキンカ)されたと考えられています。
これらの野鶏の中で「赤色野鶏(セキショクヤケイ)」が、鶏との間の一代雑種に繁殖力があり、「現在の鶏の祖先である」という説が有力だそうです。

約130年前に近代養鶏に用いられる鶏の品種の多くが、主に卵生産を目的とする小規模養鶏産業が盛んであったアメリカ合衆国で発展しました。
当時は孵化後、数週間は鶏の雌雄の分別が出来なかった事もあり、鶏肉は1940年までは卵生産の副産物でした。
第2次世界大戦後にアメリカ合衆国で養鶏産業に劇的変化が起こり、「産卵鶏と肉用鶏」の分離と発展が始まりました。
これが「近代養鶏」の始まりです。 ※ 出典:「家禽学」(朝倉書店)

【日本の飼育】
16世紀頃より、ポルトガルから伝来したカステラなど南蛮菓子の原料に「卵」を使用する為、小規模な飼育はされていたようです。
江戸時代、八代将軍吉宗の時代になって養鶏業者が誕生したと言われています。
(鶏 卵) 【卵の殻の豆知識】
白い羽の色をした鶏が「白い殻の卵」を産み, 羽が茶色の鶏が、「茶色の卵」を産みます。
これは、DNAによって決定されますから、
卵の殻の色の違いとなります。
 ― 写真左 : 白い卵と茶色の卵 ―
白い羽の鶏は、小柄で少ない飼料で多く産卵する事と、卵の品質管理がし易い事 などから、日本では最も飼育羽数が多く、日本で卵というとほとんどの方が 「白い卵」をイメージするほどの流通量を誇っています。

「名古屋コーチン」に代表される、羽の色が茶色の鶏が産む卵は茶色い殻です。
現在は、実際の飼育羽数では海外種が主流となっているようです。
体が大きい分餌を多く必要とし、以前は産卵率が低かったため日本での飼育羽数が 少なかった様ですが、白い鶏に比べ性格が穏やかで環境の変化にも対応し、病気や ストレスに対する抵抗力も強いことから、平飼いや放し飼いに向いており、最近急速に飼育羽数が増加してしるようです。

【卵の栄養価について】
1)鶏卵業界に寄せられる質問で、「殻の色と栄養価」について質問が多いようです。
   *** 答えは、NO!です。***

2)「卵黄の色が濃い方が栄養が高い」について。
   *** こちらも答えは、NO!です。***
最近、卵黄がオレンジに近い黄色が有りますが、現在日本では人気が高い傾向です。
卵黄の色は、「親鶏にどんな餌を食べたか」なのです。
トウモロコシ・パプリカの粉末・唐辛子などの赤色の色素を多く与えれば、オレンジ色に近い黄味となり、 精米など無色に近い色素与えると「白っぽい卵黄」となります。
ちなみに、約10日間程度で「餌」を変えると、黄味の色も変わるそうです。
欧米では、飼料にトウモロコシの代わりに小麦を多く与える為、「レモン色」のような黄味となります。
また、最近では「白色の黄味」も開発され、和洋菓子で「白い生地」を追求した製品に原材料として使用されています。

3)たんぱく質・カルシウム・鉄分など(ビタミンCを除く)ほぼ全ての栄養素が含まれ、 栄養バランスが良い「完全栄養食品」と言われています。
 ***「殻の色・黄味の色」で「栄養が高い・低い」はありません。***
※卵は、ヒヨコが成長するために必要な栄養成分を全て持ち合わせているから、  脳や全身の細胞を造るのに必要な脂質類とタンパク質が十分に含まれています。
 ヒヨコの骨格づくりに必要なカルシウムとリンも豊富です。
※資料提供 三幸食品㈱鶏卵部:菓子原材料「群馬県産の鶏卵」を供給頂いてます。

【卵について】
1)卵は冷蔵保存(8℃以下)が好ましい。
  温度が一定した冷蔵庫での保存は、鮮度が長持ちします。
2)卵の賞味期限は「あくまでもで食べれる期間」を表示しており、
  充分加熱処理をすることで食べる事が出来ます。
  「もったいない!」廃棄しないで食べましょう!
  平成11年11月1日「食品衛生法」で賞味期限表示が義務化されました。
3)割った卵に「白いねじれたひも状」がありますが、これはカラザと言って   卵黄を<卵の中央に固定する役目で、たんぱく質で構成されています。
4)卵の自給率は近年は96%で、食卓で食べる卵は国産比率100%
  卵の年間生産量は、250万トン程度で推移しています。
  ※輸入鶏卵(冷凍卵・粉末卵等)として4~5%が有り、加工食品用
   原料として使用されています。
5)日本の鶏卵消費量は329個/人と第1位メキシコ(358個)についで世界   第2位、第3位ウクライナ(305個)・第4位中国(295個)・第5位ロシア(260個)・   第6位ハンガリー(247個)・第7位米国(247個)・第8位アルゼンチン(242個)順です。
  (鶏鳴新聞:世界鶏卵評議会2011年資料)

【関連項目】
’14年03月01日「卵の歴史」  ’14年05月01日「卵のいろいろ-2」
’14年06月01日「卵の嘘とホント」

資 料 : 一般社団法人日本養鶏協会日本卵業協会正直通信「卵のお話」
      卵のちょっといい話卵のQ&A ・ ウィキペディア「鶏卵」

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